【創作昔話】結婚の魔法使いと悩める村人たち

今回は「結婚にまつわる」創作の昔話をします。
皆さんがどう受け取るかは、それぞれだと思いますが、結婚についての考え方が変わるかもしれませんね。
結婚観に良い影響が出ればいいですね。

結婚の魔法使いと悩める村人たち

昔、ある町に「結婚の魔法使い」と呼ばれる謎めいた魔法使いの伝説があります。
この魔法使いは、結婚に悩むカップルたちの助けになるべく、さまざまな奇跡を巻き起こしていたと伝えられていました。

いまでも、町の広場でのお祭りの時には、若者たちが「結婚の魔法使い」に助けを求める儀式が行われています。

伝説はこうです。
男女が将来に困ったときに、魔法使いがあらわれるそうで
そう格好は風変わりな帽子と鮮やかなローブに身を包み、杖を手にしています。

そして、不思議な踊りを始めるそうです。

「恋の悩みを抱える者たちよ、私の元へ集まれ！」と、魔法使いの呼びかけに多くのカップルたちが集まりました。彼らはそれぞれ、結婚にまつわるさまざまな問題を抱えていました。ある男性はプロポーズのタイミングがつかめず、ある女性は結婚生活のモノトーンさに悩んでいました。

魔法使いは杖を振ると、空に輝く星々が奇跡のように踊りだしました。その光景に見とれていたカップルたちの前に、魔法使いは近づき、それぞれの悩みに対する魔法をかけ始めました。

最初に、プロポーズに悩む男性に向かって魔法使いは微笑んで言いました。
「君の心の声を聴け。そして、勇気を振り絞って、星に誓いを捧げよう」

すると、男性の周りに幻想的な輝きが広がり、彼は心の中で愛する言葉を口にしました。
その瞬間、空から花びらが舞い降り、女性の心も彩られました。彼は自信を持ってプロポーズし、女性は涙を浮かべながら「はい」と答えました。

次に、モノトーンな結婚生活に悩む女性の元に魔法使いは足を踏み入れました。
「人生はカラフルな花で満ちている。君たちの愛を育むために、新たな冒険に踏み出すのだ」

女性は夫と手を取り合い、町を歩きながら新しい趣味や共通の興味を見つけ始めました。
夫婦は一緒に料理教室に通い、絵画を描くことにも挑戦しました。すると、二人の日常が彩り豊かになり、モノトーンな生活は一気にカラフルな絵巻物のような生活へと変わったのでした。

魔法使いは悩みを抱えていたカップルたちを次々と幸せな方向に導き、町の中には笑顔に包まれた空気が広がっていきました。しかし、その中でひとつだけ未解決の問題が残っていました。

町の中に住む一寂しい老婆が「結婚の魔法使いよ、私にも幸せをもたらってくれ」と、願いを込めて訪れました。老婆は過去に愛する人との別れや、子供たちとの疎遠などで心に傷を抱えていました。

魔法使いはその老婆に優しく微笑みかけ「幸せは過去に眠っていることもある。君の心に閉ざされたドアを開け、新しい冒険に飛び込んでみよう。」と言いました。

老婆は少し戸惑いながらも、勇気を振り絞りました。魔法使いの杖が揺れ、老婆の周りに幻想的な光が舞い降りました。すると、彼女の周りには若かりし頃の笑顔と、愛する人たちとの温かな思い出が浮かび上がってきました。

老婆は驚きと感動の涙を流し、「ありがとう、結婚の魔法使い。これからは過去の悲しみに縛られず、未来を楽しむことができそうだわ。」と喜びの言葉を口にしました。

その日以降、町の人々は結婚の魔法使いを尊敬し、感謝の気持ちでいっぱいになりました。彼女の魔法がもたらした幸せは、町の中に広がり、カップルたちは笑顔で結ばれ、老婆も新たな人生を歩み出すことができました。

結婚の魔法使いは、町の中でさらに有名になり、そして、彼女の存在は周りの人たちに広がっていきました。

しかし、ある日、突如として結婚の魔法使いは姿を消してしまいました。町の人々は驚きと悲しみに包まれ、彼女の不在が残した虚無感は町全体を覆いました。

でも、結婚の魔法使いが消えたことで、町の人々は自分たちで幸せを築く方法を見つけるようになりました。新たな結婚生活の冒険に挑戦するカップルたちが次第に増え、結婚に対する新しい考え方が芽生えました。

町の中で特に注目されたのは、若者たちが立ち上げた「幸せを共有する会」でした。この会では、結婚に関する悩みや喜びをシェアし合い、助け合うことで新たな結びつきが生まれました。結婚の魔法使いの存在がなくなったことで、人々はお互いに頼り合い、絆を深めていくのです。

そしてある日、町には再び不思議な光景が広がりました。町の広場には多くの人々が集まり、幸せそうな笑顔があふれています。
その中央には、何やら新しい魔法をかけるような踊りを踊る姿がありました。驚く町の人々の前に現れたのは、なんと結婚の魔法使いその人でした。

彼女は微笑みながら言いました。「私は町の中に幸せを育てる魔法を残すために一度姿を消しました。そして今、その幸せの種を芽吹かせる時が来たようです」

結婚の魔法使いは、新たな魔法をかけながら、町の人々に「自分たちで幸せを見つけ、分かち合うことが一番の魔法だ」と教えました。彼女の言葉に、町の人々は深く頷き、新しい結婚の冒険に胸を膨らませました。

こうして、町はますます活気づき、幸せな結婚生活を築くために奮闘する人々の姿が溢れんばかりとなりました。結婚の魔法使いは再び姿を消しましたが、彼の残した魔法が町に広がり、新たな幸福な時代が訪れたのでした。

町の人々は感謝の気持ちを込めて、結婚の魔法使いの伝説を語り継ぎ、その教えを大切にしました。そして、彼女の姿が見えなくても、その魔法は町の中で永遠に続いていくことでしょう。

この話が伝えたかったこととは？

昔話とか童話って必ずオチがあると思います。
まぁ、話にオチが無いとつまらないし、何が言いたいのかよくわからなくなるわけですが
そのオチとはテーマや教訓、何を伝えたいのか（メッセージ）のことになってきます。

つまり、先ほどの魔法使いの話は、結婚や幸せに対する一つの視点を表現したものになってきます。
今回の話に関しては、特定の教訓を伝えるものではありませんが、いくつかのテーマやメッセージが込められています。

物語は幸せや結婚に関する一般的な期待や考え方に私独自の視点から創作しました。
皆さんの人生において、自己発見や他者とのつながりの重要性を見出してくれたら、うれしい限りです。